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におい認識チップの研究

 

 

生体の神経系を模倣したニューラルネットワークは,パターン認識,最適化問題で従来のアルゴリズムの能力を上回ることが期待されており,現在それに関する様々な研究が進められている.当研究室では複数センサの出力パターンをニューラルネットワークでパターン認識してガス・匂いを識別するセンシングシステムの研究を行ってきた.しかし、大部分のニューラルネットワークの研究はソフトウェアにより行われているため,現在は小型で可搬型のセンシングシステムの実現を目指し,1bitディジタル演算方式による学習機能も含めたLSIの研究を行っている.

 

 


 

図1にガス・匂い識別回路の全体構成図を示す.水晶振動子ガスセンサは発振回路に接続され,匂いの吸着に伴う発振周波数変化を測定部に出力する.特性の異なる複数のセンサ出力の同時測定を行い,LVQ(Learning Vector Quantization)方式のニューラルネットワークでパターン認識し匂いの識別を行う. 


 

2に示すLVQ方式は,入力ベクトルと各参照ベクトルとの距離を計算することによって,入力ベクトルが属するカテゴリを判定する.また,学習時には判定結果の正誤から各参照ベクトルを更新する.本研究ではΔ-Σ変調された信号間で1bitディジタル演算方式の演算を行うことによりニューラルネットワークを実現した.本方式により配線量及び回路規模の低減が期待できる.

本研究室で、実際に作成したにおい認識チップ内にある,学習回路の学習過程を以下の図3に示す.

参照ベクトルを128個にした場合の動作確認を,図3に示すFPGAボードにて行った.このボードにはFPGA(EP20K1500EBC635-2X),外部メモリ(4MbitRAM),識別結果を表すLED,センサ信号を受信するBNCコネクタ,USBポート,スイッチが搭載されている.

 

 

 

          

 

3FPGA評価ボード

実験では,大気環境中に漂う匂いをそのまま吸引してセンサに導いた.センサ応答の一例を図4に示す.

4,センサ応答の一例.(Appleフレーバー)

4に示すように大気中に漂う匂いをそのまま吸引しているため,センサ応答が一定でないことがわかる.本研究室ではこのような環境下でも使用可能な匂い認識チップの研究を進めている.

 

3のボードを用いて実際に参照ベクトル128個分のにおいのデータを用意し,学習,識別の実験を行った.データとしては,あらかじめ測定した学習用データを512個用意した.結果を表1に示す.学習により識別率が向上し,またすべてのデータで高い識別率を得ることができた.

1FPGA上での識別結果   Mandarinはミカン科の植物です。

サンプル

Apple

Banana

Mandarin

Muscat

Total

学習前

98.4%

(126/128)

100%

(128/128)

98.4%

(126/128)

100%

(128/128)

99.2%

(508/512)

学習後

98.4%

(126/128)

100%

(128/128)

100%

(128/128)

100%

(128/128)

99.6%

(510/512)

 

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