遠隔匂い再現システム

遠隔匂い再現システムとは?

この装置は、物体の匂いを認識する匂いセンサと、任意の匂いを発生させることのできる嗅覚ディスプレイを組み合わせたもので、 擬似的に遠隔地の匂いを嗅ぐことのできるシステムです。


システム概要

システム全体の構成は以下のようになっています。

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図の左側がサーバー(送信側)、右側がクライアント(受信側)です。 サーバーはQCMセンサからの応答を元にSVMアルゴリズムによる匂いの判別を行い、カメラの映像とともにクライアントへと送信します クライアントはサーバーから受け取った匂いデータを嗅覚ディスプレイを用いて映像とともに提示します。 現在は単に映像と匂いを転送するだけでなく、クライアントからサーバーにある回転台を操作できるようにすることで インタラクティブな匂い再現システムを実現しています。


実際の動作

サーバー

サーバーは、匂いを測定、判別し、カメラの映像とともにクライアントへデータの送信を行います。 測定に用いるセンサはQuartz Crystal Microbalance(QCM)センサと呼ばれ、水晶振動子の表面に高分子の官能膜を塗布したものです。

QCMセンサ

OV-17、PEG-1000、APL、TCPの4種類のQCMセンサを組み合わせてApple、Melon、Orangeの3種類の香料について測定を行うと、 以下のような波形が得られます。

Apple
Melon
Orange

これらの波形から、香料によって特徴的な応答が得られていることがわかります。 さらに、これらのデータを視覚的に判別しやすいように主成分分析(PCA)を用いて2次元上にプロットすると以下のようになります。 (おおまかに円で囲ってある部分が匂いを嗅がせている期間です)

これらのデータの中からそれぞれ安定した250点程度の学習点を用いてSapport Vector Machine(SVM)アルゴリズムによる学習を行い、 それぞれのくだもの同士の判別境界を求めると以下のようになります。

このようにして判別したくだものの匂いと、センサ応答から算出した匂い濃度をカメラからの映像と合わせてクライアントに送信します。 サーバーにはさらにクライアントから操作可能な回転台が備え付けられており、 体験者が自由に回転台を操作することで 好きな場所の匂いを再現することができます。

クライアント

これらのデータの中からそれぞれ安定した250点程度の学習点を用いてSapport Vector Machine(SVM)アルゴリズムによる学習を行い、 それぞれのくだもの同士の判別境界を求めると以下のようになります。

嗅覚ディスプレイ

展示会など

■ 展示会の様子はこちら

  • 2007年10月 工大祭(東京工業大学)
  • 2007年11月 産学官技術交流フェア(東京ビックサイト)
  • 2008年10月 工大祭(東京工業大学)
  • 2008年12月 International Conference on Advance in Computer Entertainment Technology 2008(慶応義塾大学)
  • 2009年10月 工大祭(東京工業大学)
  • 2010年10月 工大祭(東京工業大学)
  • 2011年03月 インタラクション2011
  • 2011年10月 工大祭(東京工業大学)
  • 2012年03月 インタラクション2012